戦隊物の秘密メカといえば、俊敏なる機動性を持ち、空を飛ぶとか、少なくとも華麗なるジャンプぐらいはできなくていはいけない。
ということで、めんたい初号機もそのジャンプ能力を試してみた。
特別に設けられたジャンプ台。そしてジャンプ台の先には、めんたい初号機のジャンプ成功を決して疑っていない隊員たちが寝そべっている。
予定では、華麗にジャンプしためんたい初号機は、その寝そべる隊員達の遥か頭上を飛び越えて向こう側の着地台に着地することにになっているのだ。
「成功するのだろうか…」
一瞬の不安が頭を過ぎったが、弱気になれば機体操作に迷いが生じてしまう。Redは思い直して操縦レバーを握り直した。
「Ready Go!」
掛け声とともに、めんたい初号機はジャンプ台に向かってスタートした。徐々にスピードが増していく..とそのとき、一瞬の静寂を感じてめんたい初号機は空中に飛び出した。
「よし、このまま着地を決めてくれ!」
そう感じるのと同時に鈍い衝撃音が機内に響く。そしてその後に激しい着地の衝撃が機体を襲った。
「やったぁ。成功だぁ」
鈍い衝撃音がちょっと気になったが、それも成功した喜びによってすっかり忘れてしまっている。 Redは成功の喜びを分かち合おうと、機体の外に出て、他の隊員の名前を呼んでみた。
「おーい。アフロー。やったぜ!」
しかし、その声に答える者はいなかった。
プロローグ
2108年9月7日 「サイバーシティ-ハカタ」は未曾有の恐怖に覆い尽くされていた。今やありとあらゆる機器に接続されたサイバーネットを経由して、秘密結社Xを名乗る謎のテログループから犯行声明が出されたのだ。1日に数万ヒットを誇る、アイドルAのブログ上に無造作にハッキングされた犯行声明によると、「サイバーシティハカタ」の地下に張り巡らされた、前世代都市フクオカの遺跡である地下鉄跡のどこかにハカタの街を一瞬にして消滅できるほどの、高性能中性子爆弾を仕掛けたらしい。
一方、数ヶ月前から極秘のルートで秘密結社Xの動きを事前に察知していたハカタ中央管理局は、これまた秘密裏に恐るべきテロ集団に対抗すべく、戦闘部隊の準備を着々と進めていた。隊員はハカタの一般のサラリーマンから無作為に抽出した5名で構成され、お互いのプロフィールは互いに知らされていない。
秘密結社Xのテロ計画が明らかになると、ハカタ中央管理局の公安局長であるY氏(通称ボス)は、危機に瀕したハカタの財政から爆弾探知装置を搭載した走行車両「めんたい初号機」の開発を行う費用を捻出する決断を下した。隊員5名は限られた開発費で走行体を開発した上に、自ら走行体を操作して仕掛けられた爆弾を探さなければならないという重大かつ無謀な任務を課せられてしまった訳である。なお、彼等の部隊はその存在自体が秘密であるため、ハカタ中央管理局内ではコードネーム「秘密戦隊ハカタ」と言う名前で呼ばれている。そして、普段は一般サラリーマンとして過ごし、夜は筑紫口のとあるビルでの一室で、黙々と走行車両を開発していた。「秘密戦隊ハカタ」に残された時間と予算は少ない。果たして高性能走行車両「めんたい初号機」は完成するのか。ハカタの地下のどこかに設置された爆弾を見つけて、秘密結社Xのテロからハカタの平和を守れるのか。その答えはまだ誰もわからない....。
一方、数ヶ月前から極秘のルートで秘密結社Xの動きを事前に察知していたハカタ中央管理局は、これまた秘密裏に恐るべきテロ集団に対抗すべく、戦闘部隊の準備を着々と進めていた。隊員はハカタの一般のサラリーマンから無作為に抽出した5名で構成され、お互いのプロフィールは互いに知らされていない。
秘密結社Xのテロ計画が明らかになると、ハカタ中央管理局の公安局長であるY氏(通称ボス)は、危機に瀕したハカタの財政から爆弾探知装置を搭載した走行車両「めんたい初号機」の開発を行う費用を捻出する決断を下した。隊員5名は限られた開発費で走行体を開発した上に、自ら走行体を操作して仕掛けられた爆弾を探さなければならないという重大かつ無謀な任務を課せられてしまった訳である。なお、彼等の部隊はその存在自体が秘密であるため、ハカタ中央管理局内ではコードネーム「秘密戦隊ハカタ」と言う名前で呼ばれている。そして、普段は一般サラリーマンとして過ごし、夜は筑紫口のとあるビルでの一室で、黙々と走行車両を開発していた。「秘密戦隊ハカタ」に残された時間と予算は少ない。果たして高性能走行車両「めんたい初号機」は完成するのか。ハカタの地下のどこかに設置された爆弾を見つけて、秘密結社Xのテロからハカタの平和を守れるのか。その答えはまだ誰もわからない....。
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