
気づいた時には全てが終わっていたようである。
まだ十分にハッキリとはしていない意識の中で、目の前に広がる光景に目を見張った。
崩れた建物のガレキと、機体の一部と思われる機械部品が一面に散乱している。
ああ。やっと終わった。
多分、今自分が生きているってことは、ハカタの危機は救われたと言えるのかな・・・。
他の隊員は大丈夫だろうか。
「おーい。アフロ生きているか?」
予期していなかった方向から聞きなれた声が返ってきた。
「ああ。なんとか生きているぜ。何故か両足が接着剤で固定されたみたいに床にくっついて動けないけど」
「他のメンバーは?」
「みんな無事だよ。比較的ダメージが少なかったんで、今救援隊を呼びに行っている」
「そうか。良かった・・・」
ゆっくりと体全体に安心感が広がっていったが、また別の感情がどこからか芽生えてくるのも感じていた。
当面は秘密結社Xもおとなしくしているだろうが、またきっと復活してくるはず。
その時に自分はまた戦えるのだろうか・・・。
まだまだ力不足であることは十分承知していた。
このままでは次の戦いでは勝てない。なんらかのパワーアップが必要だ。
こんな低予算のままでは満足な秘密兵器も必殺技も開発できない。
お金さえあれば・・・
もっと強力な力が欲しい。
それらが手に入るならば自分はどんなことでもするだろう。
自分の中で守り続けていた最後の砦が崩れていくのを感じた。
かまうものか。結果的にハカタの平和が守れるならば、誰も文句は言わないさ・・・。
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